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師エドゥアルド・フェルナンデス

コンサートのご案内

 エドゥアルド・フェルナンデス先生の久しぶりの来日公演が昨日、豊洲シビックセンターにて行なわれました。
 僕がエドゥアルドに習うために日本から丁度地球の裏側に位置するウルグアイに行き、在住したのは1988年から1992年の4年間。その時はアベル・カルレバーロも健在で本人から直接カルレバーロ奏法を学ぶことが出来、しかもカナダで教鞭を振るっていたアルバロ・ピエッリにも年に2回ウルグアイに帰国時にレッスンを受けられたので、僕にとっては3人の師に学ぶことができた夢のような4年間でした。
 あれから25年以上も経って今回フェルナンデスのレッスンと演奏会を体験してみて感じたのは「全く変わってない!」変わらないどころか進化していることを確認できた今回の来日公演でした。
 僕のギター教師としての指導法は、かなりの割合でエドゥアルドの影響を受けています。4年間のモンテビデオでの修業の後にボリビアのラパス国立音楽院での教授就任が決まった僕に対して「ゲンタロー、おめでとう!私が大学で行なったテクニックセミナーを今本にまとめているのだけれども、その草稿を君に渡すからボリビアでの指導に役立ててくれ。」といってタイプライターで打った原稿のコピーを渡してくれました。それが後に英文で出版され、日本語版も僕が翻訳した「ギター達人への道(tecnica,mecanismo y aprendisaje)」です。エドゥアルドはモンテビデオ音大で行なったテクニックセミナーを元にこの本にまとめたのですが、そのセミナーを受講していた僕はその経験を基にラパス音楽院でもこの本にそったテクニック講義、また日本でも昭和音大でのギター科向けセミナーでもこの本に沿った内容の講義を行なうようになったのです。
 「最小限の力で最大限の結果を得る」ことを身上とした合理的なカルレバーロ奏法ですが、フェルナンデスはそれを大学の合同授業で一度に多くの生徒に教えるという、教え方までもが合理的なやり方を用いたのでした。テクニックは合同授業で学んでいたので、エドゥアルドに曲のレッスンを受ける時は、生徒たちは音楽に集中したレッスンを受けることが出来ました。今回のマスタークラスでもそうだったのですが、エドゥアルドがアナリーゼして帰結した、その曲で行なうべき音楽の内容はあまりにも多く、深いものです。そしてそれを難なく実現するのがカルレバーロそしてエドゥアルドのテクニックなのです。
 今回の来日で彼のマスタークラス、演奏会を聴いて、改めて実感しました。エドゥアルド・フェルナンデスは唯一無二、正真正銘の音楽家だということを・・・。
 

Posted by G.Takada

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