今回、懐かしの動画で公開するのは「鍵盤楽器の為のパルティータ第1番(フェルナンデス編)」からアレマンドです。
2000年に現代ギター社から我が師エドワルド・フェルナンデス編のパルティータ第1番が出版されました。そこで日本で唯一のフェルナンデス門下生である私が、現代ギター誌上の「レパートリー拡充講座」で奏法解説を行い、この超絶技巧の超難編曲が演奏可能であることを示すために実演も行ったのでした。
今回、12年ぶりにこのときの演奏ビデオが発掘されたことで、僕本人も忘れていたこのレパートリーの演奏が観れるようになったのは嬉しい限りです。バッハの演奏としてはここ数年の演奏のほうが、誰のものでもない「高田元太郎のバッハ」を確立した後のものなので、2000年の演奏ビデオを観るのは恥ずかしくも感じてしまうのですが、自分が歩んできた道を知ってもらうのもよいかと思ってアップしました。
先日、門下の熊谷俊之が日本帰国時にアルトフィールドでマスタークラスを開いてくれました。そのなかで後輩の昭和音大生に「高田先生にカルレバーロ奏法をならったことが、ピエッリに習い始めるにあたって有益だった」と言ってました。そして、アルバロに習ったことを惜しげもなく後輩たちに教えてくれましたが、それぞまさしく上級者のためのカルレバーロ奏法でした。僕がウルグアイでピエッリとフェルナンデス、両者に習っていて思ったことは「ピエッリのほうがカルレバーロの教えを忠実に守っている。しかもカルレバーロの数倍、音楽的にそれを応用している」ということです。僕もピエッリのように音楽的なカルレバーロを常に目指していましたが、熊谷俊之がピエッリのところでそれを完成させてくれた、というのは感激・感動ものでした。
というわけで、若いアルトフィールド門下生も是非カルレバーロ奏法を身につけよ、という意味も含めての古い動画のアップです。がんばれ!
Posted by G.Takada